飲まない生き方 ソバーキュリアス 感想
ソバーキュリアスとは、あえて酒を飲まないという生き方
気になっていたので図書館で読みました。私は生まれてから酒を一度も口にしておらず、常にソバー(しらふ)なため著者が想定した読者層ではないと思います。しかしSNSやポルノ、恋人などに依存しているため、依存症克服の手助けになればと手に取りました。
感想
依存症克服の観点から言うと、この本は買う価値がないです。こう感じるのは私が男性だからかもしれませんが。
著者が酒にハマった経緯はこんな感じ。著者は女性。両親の離婚のストレスを紛らわせるためにアル中の彼氏と付き合う。高校から大学までの6年間同棲し、その彼氏に酒を禁じられて過ごしていた。彼氏はDV癖があり、次第に暴力から逃げるために自室に引きこもり、ご飯も食べずにマリファナを吸うようになった。その後あるパーティーで禁じられていた酒を飲んで行きずりの男と一夜を共にし、ついに彼氏と別れ、酒とのずぶずぶ関係が始まる。その後は毎晩酒を飲んで踊り明かし、パーティーガールになった。
まず思春期に親の離婚を経験してメンヘラになったあとに、1.彼氏に依存→2.マリファナに依存→3.酒に依存というコンボをかまして酒にハマったようですね。
彼女は30歳ぐらいのときに自分はアルコール依存じゃないか?と気づき、生涯断酒を誓うグループ "AA" に参加する。しかし "AA" の宗教色が強い(教義があり、神が出てくる)ことや、自分は依存症というほど依存してはいないという心の中のもやから自分はソバーキュリアスだ、と思うようになった。
彼女によるとソバーキュリアスでは、「神ではなく、瞑想時に現れる高次の自分とのやり取りによって酒を断つ。」らしい。
は?
はい。この本は途中まで酒を入れたらどれだけ二日酔いがダルいか、早死にするか、また酒を抜いたら目覚めが良く、どれだけ気持ちいい朝が送れるかなど、ソバーキュリアスのメリットを提示するんですが、途中からスピリチュアル本になっていきます。
著者は酒を飲んでいた時間を「勉強」に当てるようになって量子物理学を勉強したと言い出し、
- 量子力学の世界では波動がそろうとすべてがつながる
- 周波数が高いと良い 低いところに怒りやイライラがある
- 瞑想をしろ
- ヨガをしろ
- 全てに感謝しろ
など、スピリチュアルに傾倒したイカれた人の文章になっていきます。スマホのアラームを3分にセットして瞑想開始!みたいなパートがあって失笑しました。女性向け自己啓発本とかなり共通点があったので、男性は買っても意味ないと思います。理系学生なので量子力学は基礎ぐらいならわかりますけど、神と繋がるとか誰も言ってないですよ。
結論
この著者はメンヘラで依存体質であり、依存の対象がアルコールからスピリチュアルになっただけといういろいろ草生える本でした。健康に悪いアルコールからまあ健康に良くも悪くもないスピリチュアルになっただけマシなのかな?酒が入った状態あるいは二日酔いで読んだらいい本だと思うかもしれません。個人的には★2ぐらいの本でした。